富岡アルプス                       2020年3月22日 岡部さん

 

ある情報誌から「富岡アルプスの幻の山野草、日本翁草を探して」の文字にひかれて、何の下調べもなし

に出かけてみた。高崎から下仁田行きの上信電鉄に乗り、客もまばら超レトロな車窓、無人駅などを走り、

神野原(かのはら)に降りたとき、乗客は私一人だった。

ホームに神成(かんなり)9連峰と山野草と書かれた大まかな看板があったのでとりあえず歩き出した。

登山口が分からずウロウロしていたら地元の人らしい人が親切に自分も行くからと同行してくれた。確かに

小学校の裏側のあぜ道のようなところから不意に始まる。“あとは尾根歩きで間違うことはない”と教えても

らい、自分のペースで先に行くこととした。

標高320m程度の尾根歩きがほとんどだが、いくつかピークはあり、独標も確認できた。所々見通しが

良く気持ちがよい。かんじんの翁草は?というと逆方向から来た地元の人から登山道には今はわずかで、

下山口に保護されていて、帰りの駅、南蛇井(なんじゃい)駅の線路わきにやたら咲いていると聞き、導

かれるように足が早まった。

クリスマスローズに似た花弁で形は小さく、濃赤のビロードのような質感で気品がある。南蛇井駅の周りも

コンビニも何もないタイムスリップしたような静けさ。こんなのどかな所にはコロナもいないだろうとほっとできた

約2時間余りの行程だった。